みなさんはコマで遊んだことはあるのでしょうか?
子供のときに一度は手にしたことはあると思います。
コマを回そうとしたとき最初はうまくいかず、すぐに倒れてしまったのではないでしょうか?
やっているうちにだんだんとうまくなっていき、うまく回せるようになるとコマは倒れずに立ったまま回転を続けます。
ではなぜ、回っていないコマは倒れるのに、回っているコマは倒れないのでしょうか?
その理由を説明できる人はなかなか少ないのじゃないでしょうか。
この記事では、コマの運動の秘密をわかりやすく説明していきます。
重心について
そもそもなぜ回っていないときにコマは倒れるのでしょうか?
それにはコマの重心が関係しています。
重心とは簡単にいうと物体の中心のことです。
物体を重心で支えるとバランスがとれてうまく支えることができます。
重心を外して支えるとバランスがとれず倒れてしまいます。
また物体に働く重力を考えるとき、重心に重力が働いていると考えることができます。
回っていないときのコマ
それではコマの形を見てみましょう。
一般的なコマの形はこんな形です。
コマの重心は胴体にあります。完璧にまっすぐに台の上に置くことができれば、立てることができるのですがそんなことはできません。なので上の三角形と同じように少しでも傾くと支点から重心がずれて倒れてしまいます。
コマが倒れるのは重心に対して支点が狭く、すぐにバランスが崩れてしまうからです。
ここまでは直観的に理解できるのではないでしょうか。
回っているコマはなぜ倒れないのか?
ここまでの説明でコマが倒れる理由はお分かりいただけたかと思いますが、回っているとなぜ倒れないかは謎のままです。逆に回っているときになぜ倒れないかが余計に不思議に思えるようになったかもしれません。
回っているコマは重さがなくなるのでしょうか?そうではありません。コマを投げて回すとき、コマはしっかり地面に落ちてきますよね。空中に浮いて回っていることはないですよね。重さがなくなるわけではないです。
回っているコマが倒れないのには、回転という運動に秘密があります。
回転運動しているものに別の回転させる力がくわわると、回転運動の向きが変わっていくのです。
具体的に見ていきましょう。
少し左に傾いたコマをイメージしてください。
このコマは左周りに回っています。
ここで下の絵を思いだしてください。
コマが傾いていることで、重力によってコマは倒れようとします。このとき支点があることによってその力はコマを回転させようとする力になります。
この「コマを倒そうとする力」=「コマを回転させようとする力」であることが大きなポイントです。
さきほどの回転するコマの絵に「コマを倒そうとする力」=「コマを回転させようとする力」を書き加えてみます。
回転しているコマにさらに別方向に回転させようとする力がくわわると、回転運動どうしが影響しあい、回転軸の方向を変えようとする運動が起こります。コマを傾けようとする力が働いてもその通りの運動はおこらず、変わりに回転軸を左周りに回転させる運動がおこります。
これがコマが回っているときに倒れない理由です。
コマが回転運動をしていることと、コマを倒す力が回転させようとする力であることで二つの回転運動の合成が起こり、倒れないような運動に変換されるというわけです。
もしもコマの軸が台から外れ支点がなくなれば落下運動になるため、回転運動との合成は行われずそのまま落下してしまいます。
まとめ
まとめです。
・コマが回っていないときは、完全に直立させなければ立たせることはできない。実質無理。
支える面が小さく重心が少しでもずれると倒れてしまうから。
・支点で支えられているため、コマが倒れるときの動きは
落下のような直線運動ではなく回転運動になる。
・コマが回っているときは、コマを倒そうという力が働くと、
もともとの回転運動と回転させようとする力が合わさり別の運動が起こる。
コマは倒れる運動はおこらず、コマの回転軸が支点を中心に回転する運動になる。
・コマが回っていないときは、コマを倒そうという力が働くと、
回転運動との力の合成がおきず、そのまま倒そうという力の通りに倒れる。
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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