真空ってどういう状態?

空気の話

みなさんは真空ということばをきいてどういう状態をイメージしますか?
真空という言葉は、日常生活をしていても耳にすることがあります。
真空パック、真空乾燥などがあります。

この記事では真空ってどういう状態?どういう性質があるの?ということを、
よくある勘違いとともに解説していきます。

真空にまつわるよくある勘違いとして下の二つがあります。

・真空とは何もない空間のことである

・真空にはものを吸い込む力がある

どうでしょうかみなさん。なんとなくこのような感覚をもっていないでしょうか?

それでは、1つずつ見ていきましょう。

勘違い1 真空とは何もない空間のことである

真空にまつわるよくある勘違いの一つは、「真空=何もない空間」というものです。

通常私たちの周りには空気があります。この空気の中には空気を構成する気体の分子が漂っています。この気体分子をどんどん取り除いていって、完全に何もなくなった状態が真空であるというのは間違いではありません。

では、完全に何もなくなる前の状態、気体分子が通常よりも少なくなった状態、これは何という状態なのでしょうか?

実はこの完全に何もなくなる前の状態も真空なのです。むしろこの気体分子が少し残ってはいるが完全にはなくなっていない状態の方が一般的な真空、普通の真空なのです。

つまり「真空といえばかならず、完全に物質を取り除いた何もない空間のことを指す」というのは間違いなのです。

完全に何もない空間というのは「絶対真空」とよばれていて、通常の真空とは区別されています。

まったく物質が存在しない「絶対真空」を実現することは難しく、仮想的な状態という扱いがされています。
人工的に作ることのできる真空には限度があります。
また、宇宙空間でさえもわずかですが分子が存在しているといわれています。

宇宙空間にもなんらかの分子は存在している

JIS(日本産業規格)によると、「真空」とは「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態」と定義されています。

つまり、「真空」はまったく何もない空間ではなく、普通よりも空気が薄い特別な空間ということです。ですので「真空」の中には、通常よりは少ないですが空気が存在しています。

通常の大気圧、(通常の)真空、絶対真空をもう一度図で整理すると下のようになります。

左端の容器が通常の状態です。
容器のふたは空いていて、外とつながっています。当然容器の中も外と同じ通常の大気圧の空気で満たされています。

そして真ん中の容器が「真空」です。容器のふたは閉じられていて、外よりも空気が薄くなっています。この場合、容器の中の圧力は外よりも低い状態です。そして図の通り、何もないわけではなく、空気は少し残っています。

勘違い2 真空にはものを吸い込む力がある

つぎのよくある勘違いは真空にはものを吸い込む力があるというものです。

先ほどの容器の図を使って見てみましょう。

真空の容器を使います。

容器のふたをとると…

外の空気が容器のなかにどんどん入ってきて、最後には外と同じ大気圧になります。このふるまいはイメージできる人が多いのではないでしょうか。

気体分子の動きを見ると、真空にものを吸い込む力があるようにも見えても不思議ではありません。

また、真空の圧力について「負圧」という表現を使うこともあるため、この勘違いが起こりやすくなっているのかもしれません。

おさらいですが、真空というのは「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態 」です。

真空であっても圧力はあるということです。圧力というのは、周囲に対して押し広げようとうする働きをします。

先ほどの「負圧」という表現は、外の気圧に対して中の気圧の方が低い状態をいいます。決してマイナスの圧力というものがあるわけではないのです。

先ほどの図を圧力も考えながらもう一度見てみましょう。
図をシンプルにするため、気体分子の色は1色に統一しました。

最初の容器の中が真空のとき、外より低いとはいえ容器の中にも気圧はあり、容器を中から押しています。そして外の気圧は、通常の大気圧です。

容器のふたをとると、外の高い気圧と中の低い気圧が押し合います。

当然外の高い気圧が押し合いに勝ち、中の低い気圧をより中へと押しやります。

中の低い気圧は押しやられることで、ふたが開く前よりも狭い範囲に押しやられることで

先ほどよりも気圧が上がります。

この押し合いは中の気圧が外の気圧と同じ高さになるまで続きます。

最終的には、中の気圧は外の気圧と同じになり、安定した状態になります。

これが、実際に起こっていることで、真空(周りよりも低い気圧の状態)がものを吸い込んでいるわけではないのです。容器の中に外の空気が入りこんでくる作用は、外の空気の気圧の力です。
容器の中の真空は、外の空気を吸い込むというよりはむしろ、外の空気が入ってこないように押し返しているのです。
しかし、その力は弱いため、結果的には外の空気が入り込んでくるのに負けてしまいます。

まとめ

まとめです。

真空とは「通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態」です。
私たちが扱っている真空は、まったくなにもない空間である絶対真空とは違い、通常はよりは少ないですが、何らかの分子が存在している空間です。

「真空にまつわるよくある勘違い」も見てきました。

×何もない空間が真空
→何もない空間は「絶対真空」
 通常の「真空」とはちがい、仮想的な状態

×真空にはものを吸い込む力がある
→真空がものを吸い込むのではなく、真空ではない周りの空気が真空を押し込むことで
 真空だった空間にものが吸い込まれるように見える。
 真空にも低いが気圧はある。=ものを押し返す力がある。

以上です。

真空についての理解が深まったでしょうか?

少しでも参考になれば嬉しいです。 最後までお読みいただきありがとうございました。

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