なぜ軽いものは水に浮くのか?浮力とは?

水の話

なぜ、軽いものが水に浮くのか疑問に思ったことはありますか?
おもちゃを水に浮かべて遊んだことがある人は多いと思います。

また、プールに入ると体が軽くなるといいます。
浮かびはしなくても重いものを水に入れると少し軽くなったように感じます。
これらはすべて浮力のおかげです。

この記事ではなぜ水のものを入れると浮いたり軽くなったりするのか?
浮力とは何なのか?

これらについてわかりやすく解説していきます。

浮力とは

浮力とは文字どおり水中にある物体を浮かせようという力のことです。

みなさんは水に浮くおもちゃで一度は遊んだことがあるのではないでしょうか?
おもちゃを手で水に沈め、手を離すと浮かんできますよね。
このおもちゃを浮かせる力が浮力です。

浮力は以下の特徴をもっています。
・浮力は重力と逆向き、つまり上向きに働く。水の中にある物体すべてにかかる。
・物体が水の入っている部分が大きいほど、浮力は大きくなる。
・物体がすべて水の中に入ると、水深にかかわらず浮力は同じになる。
・浮力の大きさは、押しのけた水の重さと同じになる。

順番に詳しく見ていきましょう。

浮力は重力と逆向き、つまり上向きに働く。

浮力が働く向き

重力は物体を地面に落とそうと、また水中に沈めようと働きます。つまり下向きに働きます。それに対して浮力は物体を水に浮かせようする向きに働きます。重力と逆ですね。上向きに働く力ということになります。

なぜ物体を水中に入れると浮力が働くのでしょうか?浮力が働く仕組みを詳しく見てみましょう。

浮力の発生には水圧が関係している

浮力の発生には水圧が関係しています。水圧とはなんでしょうか?

水圧とは水の重さによって発生する圧力のことです。水圧は水中の物体にかかります。

水圧は水の重さが水中の物体にかかっているのですが、上の図のように下方向だけではなく、横、上方向にも同じようにかかるのが特徴です。

そして水の重さにより発生しているので、深くなればなるほど水圧は大きくなります。

では深くなればなるほど水圧が大きくなることを踏まえて、水中の物体に働く水圧をもう一度見てみましょう。


水圧の大きさを矢印の長さで表しています。深くなるにつれてかかる水圧が大きくなっています。
※シンプルにするために容器にかかる水圧は省略しています。

このとき横方向にかかっている水圧は左右で同じ大きさになるので打消しあいます。そして上の面にかかる水圧より下の面にかかる水圧の方が大きくなっていますね。下の面の方が当然深いところにあるからです。

物体がどんな形をしていても、上の面と下の面にかかる水圧はかならず下の面にかかる水圧の方が大きくなります。この上の面と下の面にかかる水圧の差が浮力になっているというわけです。下の面を上に押し上げる力が浮力の元なので、浮力は当然上向きの力になるというわけです。

浮力は水中にある物体すべてにかかる

水圧は水中にある物体すべてにかかります。そのため浮力も同じように水中にある物体すべてにかかっています。

水に沈んでいる物体も一見浮力は働いていないように見えますが、しっかりと浮力は働いています。水の中から重いものを引き上げるとき、水から出す瞬間、急に重くなったように感じないでしょうか?

これは、水の中にあるときは浮力が働いて軽くなっていたのに、水から出すとその浮力が失われ元の重さに戻り重く感じるのです。

浮力発生メカニズムのまとめ

ここまでを一旦まとめます。
・浮力は物体の上の面と下の面にかかる水圧の差によって発生している。
・下の面にかかる水圧の方がかならず大きくなるので、浮力は下から押し上げる上向きの力になる。
・水圧は水の中の物体すべてにかかるので、浮力も水の中の物体すべてにかかる。

物体が水に入っている部分の体積が大きいほど、浮力は大きくなる。

下の図を見てください。深くなればなるほど水圧は大きくなるので、物体を水に押し込んでいくと、浮力はどんどん大きくなります。

プールで浮き輪やビート板を水に沈めようとすると、どんどん抵抗が大きくなっていきますよね。あれは水に沈めようとすることで、浮力がどんどん大きくなるからです。

物体がすべて水の中に入ると、水深にかかわらず浮力は同じになる。

しかし一旦すべて沈めこんでしまえば、それ以上深くしても浮力は大きくなりません。一定の大きさのままです。なぜでしょうか?下の図を見てください。

深くなることで、下からの水圧は当然どんどん大きくなっていきます。しかしこのとき同時に上の面を押す水圧も同じように大きくなっていくのです。結果としてはプラスマイナスゼロになり、浮力は一定の大きさのままということになります。

浮力の大きさは、押しのけた水の重さと同じになる。

浮力の大きさはどのくらいになるでしょうか?
浮力についての基本原理「アルキメデスの原理」を紹介します。

アルキメデスの原理

「(水などの)流体中に入れた物体にはたらく浮力の大きさは,物体が押しのけた流体に働く重力の大きさに等しく,向きは上向きである。」

浮力の大きさ

浮力が上向きであることは先ほど説明した通りです。
そして浮力の大きさは押しのけられた水にかかる重力と同じということです。

「水にかかる重力=水の重さ」なので水より軽いものを浮かべれば、水の重さと同じ浮力がかかり水に浮くことができます。逆に水より重いものを浮かべようとしても、水の重さと同じ浮力しかからないため浮かぶことができません。

まとめ

浮力についてまとめます。
・浮力は水圧によって発生している。
・重力と逆向き、つまり上向きに働く。水の中にある物体すべてにかかる。
・物体が水に入っている部分が大きいほど、浮力は大きくなる。
・物体がすべて水の中に入ると、水深にかかわらず浮力は同じになる。
・浮力の大きさは、押しのけた水の重さと同じになる。

以上です。
この記事がなにか参考になればうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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